100均ショップのひとつダイソーにはわずか1,000円+消費税で購入できる完全ワイヤレスイヤフォンがあることをご存じですか?
今やスマホと一緒に使うイヤフォンと言えば完全ワイヤレス、といった流れも出来ている感があるBluetooth接続のイヤフォンです。ダイソーならこのタイプのイヤフォンを1,100円から試せるわけです。
今回、ダイソーのTWS(True Wireless Stereo)イヤフォンの初号機、TWS001を入手してじっくり使い込んでみました。
ダイソー完全ワイヤレスイヤフォン「TWS001」のスペック
まずはダイソーの完全ワイヤレスイヤフォンTWS001の基本的なスペックを確認しておきましょう。
元々、本格的に音楽コンテンツなどを聴くことは想定していないのか、音響特性に関する詳しいスペックは実は公式サイトなどにも表記がないようです。
ただ、ザッと試聴してみた限りでは下から上まで割ときちんと音の周波数はカバーできていそうな感じです。
本体重量 約4g
ケース込み重量 約31g
連続再生時間 約4時間
約10時間(ケース込み)
充電時間 約1.5時間
約4時間(ケース込み)
充電用端子 マイクロUSB
対応コーデック SBC
通話用マイク あり
Bluetoothバージョン 5.0
じっくり調べると「出力音圧レベル」や「インピーダンス」もどこかに記載があるようなのですが、これらの数値はBluetoothイヤフォンではあまり意味がありません。イヤフォン側に「専用のアンプ」が内蔵されている状態ですので。
きちんとイヤフォン部分にマッチするよう調整された専用アンプがある状態ですので、これらのスペックが何かに影響する可能性はほぼないのです。
ダイソー完全ワイヤレスイヤフォンの外観
パッケージはとてもコンパクト。
無駄がない作りです。
正直、高級感的なものは一切ない外観です。
ケースもイヤフォン本体もプラスチックの質感そのまま。
気楽に扱える、という点ではこれもありかもしれません。
イヤフォン本体は裏側の「R」「L」の文字を確認しないと右左がほぼ分らない作りです。
ケースはとてもコンパクトで軽量。内蔵バッテリーの容量は少ないですがその分小さく軽いので割り切れそうな部分です。
イヤフォン本体もコンパクトなサイズ感で軽量。
コンパクトに感じたAmazonのEcho Budsのイヤーピースよりさらに小型です。
ただ、耳へのフィット感はあまり考えられていない形状で、イヤーチップが小さくかつ素材の腰がない関係もあって、使用時に誤って落としそうな不安感がありました。
AmazonのEcho Budsのレビュー記事はコチラになります↓
>【Amazon/レビュー】Echo Buds(エコーバッズ)とは?評判通り?できることや他メジャーTWSイヤフォンと比較
ダイソー完全ワイヤレスイヤフォンの実際の音は?
早速、Windows 11パソコンとペアリングして音楽を聴いてみました。最初に音が出た感じでは、たったの1,100円のイヤフォン、しかも完全ワイヤレスタイプと考えると望外の音質と言っていいと思います。
割とバランス良く音像のぼやけ、音の濁りが少なめの素直な音が出てきます。アタックの速い、立ち上がりの速い音にも結構追従して音がついてきます。正直ちょっとビックリしました。
TWSイヤフォンは様々な電気・電子パーツにガバッとコストを持って行かれる製品ですからね。肝心のアナログなパーツ、イヤフォン本体部分にあまりコストを割けません。
ですがそんなハンデを抱えながらも、以前購入したダイソーの300円有線イヤフォンよりもはるかに良い音がします。数千円クラスの有線イヤフォンと結構いい勝負をするかもしれません。
ただ、パッケージには「迫力の重低音」との記載があるにもかかわらず、わたしが聞いた時には下は割とスカスカ。全然重低音どころが低音が出ていない音のバランスでした。
これも多分、標準でついてくるイヤーチップの影響だと思われます。カナル型イヤフォンはしっかりと耳穴にフィットするイヤーチップを使って、奥までキッチリはまるよう装着できないと低音が全く出ないというのが一般的な特性ですから。
ただ、そんな中でもそれなりに音楽コンテンツも「聴けそうな」ポテンシャルは感じました。
ひとつ気になった点は、ボリューム設定のデフォルト値が結構大きめなところです。Windows PCとWASAPI排他やASIO排他で接続した場合、Windows側のソフト的なボリューム調整が無効になるのですが、その際に聞える音の大きさが少々大きすぎるのです。
他の機材と接続してもボリュームの基本設定がやや大き過ぎに感じられました。
ダイソー完全ワイヤレスイヤフォンの各種操作感
このイヤフォンは左右のピースにある物理ボタンの操作でスマホなどの色々なコントロールが行えます。その操作感、ボタンの小気味よいクリック感にも問題はありません。
外見等々がスマートではなくなるかもしれませんが、タッチパネルのものよりも個人的には物理ボタンが好みです。確実に「押した」ことが分るボタンのクリック感って、何気に優秀で重要なユーザーインタフェースだと思うのですよ。
自動車なんかの操作系もタッチパネルからボタンに回帰する部分が増えていますし。
ダイソーのイヤホンを劇的に音を改善する裏技!
耳穴にも上手くフィットしないことを感じ音の方も低音の物足りなさがあったことから、これは多分、サイズが合わず腰がないペラペラな感じのイヤーチップが悪さをしていることを予想しました。
ですので、エイジング(≒イヤフォンの慣らし運転)もしっかり行なわないうちに、まずはイヤーチップの交換を試しました。
ソニーのハイブリッドタイプのSサイズが余っていたのでこちらに交換してみましたが、これはわたしの耳穴の形にマッチせず。やはりスカスカの低音のままでした。
その後試してみたのが同じダイソー製の「低反発球体型イヤーピース」です。
低反発球体型イヤーピースのレビュー記事はコチラ↓
たったの330円でフォームタイプのイヤーピースを試せる、こちらも価格破壊商品ですね。
これを装着してTWS001を試してみたところ…、音質、音のバランスがまさしく「激変」。ようやく「重低音イヤフォン」の本領を発揮するようになりました。ちょーっとやり過ぎ感が強いぐらいに下寄りのバランスになります。
重低音と本当に言えるほどに低域側がどんどん伸びている感じはないのですが、一般的な低音はどんどん前に出てきます。
中音域も高音域もそれなりのクオリティでしっかり出てはいるのですが、それを遙かに上回る低音の元気の良さがあるため、上が出ていないような錯覚をしてしまいそうなバランスです。
普通に聴くならばイコライザーで50Hz~100Hzぐらいを思い切って抑えた方がいいかもしれません。
イヤーチップを交換したことで耳穴へのフィット感も抜群に良くなり、イヤフォンをうっかり落としてしまいそうな不安もかなり解消。音質の改善と使用時の安心感の観点からも、イヤーチップの交換は強くお勧めしておきたいですね。
合計1,430円のTWSイヤフォンでこのクオリティが得られるなら、まさに「価格破壊」と言って良い中身だと思います。
まとめ ~圧倒的なコスパ~
ダイソーの完全ワイヤレスイヤフォンTWS001は1,100円で買えてしまう驚異的なコスパを実現した製品です。音質の方も標準の状態でも価格を考えるとかなりいい線を行っています。
音の「かすれ感」が少なくある程度バランスが取れた期待以上にクリアな再生が出来ます。
ですがこのイヤフォンが本領を発揮するのは、それぞれのユーザーに耳にフィットするイヤーチップを見つけ、それに交換した後でしょうね。キチッとフィットする組み合わせが見つかった場合には、少なくとも音質面では驚異的なコストパフォーマンスを発揮する製品に化けます。
組み合わせるイヤーチップについて著者の個人的なおすすめは、本文中でも触れた同じダイソーの低反発イヤーピースです。お試しあれ。