YouTubeにアップロードする動画、まず最初は撮影したものそのまんまでも全く問題はないです。
ただ、もっと見栄えを良くして他の人にも楽しんでもらえるような「作品」を作ろうと思うと、「動画編集」という作業がほぼ必須になります。
動画を撮るときにどれだけ注意して無駄なものを写さないようにしたつもりでも、基本必ず本来撮りたかったもの以外のものが写り込んでしまうものです。
他にも撮影開始時や終了時、撮影開始・終了のボタンを押す、タッチするときにカメラが動いてしまって無駄に画面が揺れる、などきちんと動画を仕上げるためには邪魔になる要素はどうしても入り込んでしまいます。
何らかのテーマを持って動画をまとめようとするときに、1箇所での撮影だけで表現したい要素を全部盛り込めないこともあります。そのような動画を作るときには必要な要素をあちこち移動して撮り集め、つなぎ合わせて作品にまとめることになります。
このように動画の中の不要な部分を削除したり、必要な要素を組み合わせて目的の動画を作り上げる工程が動画編集です。
ほとんどの動画編集ソフトでは組み合わせる動画の素材のつなぎ目に、テレビ放送などのシーン変更でよく見かけるようなエフェクトをかける機能が備わっています。やり過ぎは禁物ですがうまく使うとスタイリッシュな動画を仕上げることが出来ます。
動画編集をしっかりとやろうと思うと画面の大きなパソコンの方がスマートフォンよりも何かと楽が出来ます。画面が大きく広い分、編集作業自体が精密かつ楽に行えます。
また、動画を仕上げる際の「エンコード」という処理にはすごくCPUパワーがいりますので、そちらの観点でもスマホだけでやりくりするよりパソコンが1台あると何かと効率的です。
動画編集に必要になるパソコンの能力
新しいGPUにはハードウェアでエンコード処理を行なう機能が備わっていますが、速度はすごく速いものの画質面はちょっと微妙です。
このためクオリティの高い動画を作ろうと思うったら、動画編集の最後で行なうエンコードは処理を全部ソフトウェア側で行なうのが定番です。
欲しいのはCPUパワー
ソフトウェアで動画のエンコードを行なう際に必要になるのが、パソコンの心臓部であるCPUの処理能力です。動画編集を行なうのならCPUパワーはぶっちゃけどれだけあっても構いません。
その代わり当然、高性能なCPUを積んだパソコンはその分お値段も高くなりますので、処理能力とお値段の兼ね合いでユーザーごとに妥協点を見つけることになります。
仕事で動画を作る、と言ったプロの人たちだと作品を「速く仕上げる」のも極めて大切な要素ですから、パソコンの処理能力の高さは命綱のようにもなります。
ですが、一般ユーザーが趣味の延長で動画を作る場合には「時間をたっぷり使える」という超強力な武器があります。多少パソコンの性能が足りなくても、例えば夜寝ている間エンコードを走らせ続けて時間で解決する、という手段もあるわけです。
が、それでもある程度はCPUの性能があった方が楽なのは確実ですから、予算に合わせて出来るだけCPUの性能が高い機種を選ぶのがカギになります。
ちなみに動画編集専用にするのであればビデオカード=GPUの性能はあまり必要としません。統合GPUやエントリークラスのビデオカードでも足りるケースがほとんどです。
動画に施すエフェクトの一部をGPUで処理できる動画編集ソフトもありますが、その際にもハイエンドのビデオカードは不要なことがほとんどです。
デスクトップキャプチャにはWindows 10が便利
Windows系で動画編集等々を行なうのならば、OSはWindows 10がオススメです。
カメラで撮影した素材を元にした動画を作る他に、パソコンで遊ぶゲームの画面をキャプチャして編集、配信するパターンも考えられるでしょう。
そういったときにWindows 10ならばOS標準の機能で非常に高画質な動画キャプチャが可能になっているからです。動画キャプチャソフトを別途購入したりする必要がありません。
インテルのCoreプロセッサとAMDのRyzen
今、パソコンの世界ではCPUの主流は定番中の定番であるインテルのCoreプロセッサと、最近大きく盛り返して勢いがあるAMDのRyzenシリーズの二つです。
動画編集ではトータルのCPU性能が重要です。多くの「コア」を搭載して並列処理を効率よく実行できるCPUが適しています。
CoreプロセッサもRyzenシリーズもマルチコア製品のみしか存在しなくなっていて、最近のデスクトップパソコンだとローエンドが4コア製品になりつつあります。
動画編集からエンコードのフィニッシュまで、4コアCPUがあるとかなりの性能が期待できます。ですので最新機種ならエントリー機から十分に動画編集を楽しめるようになっています。
が、よりコア数の多い製品ならばその分エンコードの速度が上がりますので、サクサク動画を作れるようになります。
どちらのCPUシリーズも一般ユーザー向けだと、8コアで同時に16本プログラムを並列実行できる製品ぐらいがハイエンドです。4コア製品の倍近い速度でエンコード処理を実行できる能力があります。
もっとコア数が多いCPUを積んだパソコンもありますがお値段が跳ね上がりますので、そちらはご自身の予算と相談なさってください。
今の感じですと、8コア製品はRyzenシリーズのほうがコストパフォーマンスが上をいく感じです。電力効率=ワットパフォーマンスも基本設計が新しいRyzenシリーズの方が優れています。
ただ、一部動画のエンコードでよく使われる機能(AVX命令)の性能はCoreプロセッサの方が上のケースが多く、動画のエンコード性能が逆転することがあります。ちょっとこの辺りがパソコン選びを面倒にしている感がありますね。
YouTubeの動画編集にオススメのパソコン
では何機種か動画編集に適したパソコンをピックアップしてみます。選択基準は高性能なCPUです。
HP Pavilion Gaming Desktop TG01パフォーマンスモデル
一時、日本国内のメーカー製PCシェアでトップを奪って話題となったHP、ヒューレット・パッカード製のデスクトップパソコンです。
この機種は「Gaming Desktop」を名乗りながらなんと外部GPUレス。
CPUには高性能なCore i7-9700を搭載していますので動画編集にはぴったりの1台です。ビデオカードなしのため価格の方もリーズナブルです。
DELL G5 ゲーミングデスクトップ プレミアム
DELLのマシンもゲーミングデスクトップシリーズから。
ゲーム向け以外のデスクトップPCはオフィスワーク目的で小型や薄型機種が増えていて、性能重視のマシンはどうしてもゲームよりになります。
こちらの製品もCPU重視でビデオカードの方は規模が小さめのセットを選択しています。CPUはやはりCore i7-9700で8コアの高性能チップです。
ちなみにGPUにはGeForce GTX 1660 Tiを載せていますので、ほとんどすべてのゲームを快適に遊ぶ性能もありますよ。
マウスコンピューターDAIV A5
こちらはマウスコンピューターのクリエイター向けブランドの製品です。
ビデオカードは今現在のエントリーに近いミドルクラスのものを搭載していますが、やはりCPU性能重視の構成になっています。
CPUにはAMDの8コア16スレッド対応製品Ryzen 3700Xを搭載しています。
メインメモリも16GB、メインストレージは高速なSSDを256GB搭載した上にたくさんのデータを持てる1TBのHDDも内蔵するなど、非常に使い勝手の良いマシンに仕上がっています。
ドスパラ raytrek AT
こちらはドスパラのクリエイター向けブランド製品です。
マウスのDAIV A5とCPUは同じでRyzen 3700X。その他も似た構成ですが、内蔵ストレージが1TBのSSDになっていて、ビデオカードは1ランク以上クラスが上のGeForce GTX 1660 SUPERを採用するなど、性能バランスはかなり良い製品です。
様々なクリエイション目的の使い方だけではなく非常に多彩な使い方も出来るマシンです。