セリアのVRゴーグルはこんな商品
セリアのVRゴーグルはいわゆる「ハコスコ」などと呼ばれるタイプの簡易的なVRゴーグルです。
Meta Questのような超本格的なHMD(Head Mount Display)とは全く異なり、スマートフォンの画面を使ってとても簡易的なやり方でVR体験を行えるようにするためのアイテムです。
モノはといいますと、左右の眼で見る画面が反対の眼の視界に入らないようにする「間仕切り」的なモノと、周囲が目に入りにくくするための覆い、それに加えて近距離で使うことになるスマートフォンの画面に眼のピントが合うようにするためのルーペ的なレンズがついています。
ゴーグルのガワ部分は「段ボール紙」で作られていて、これを折り紙のように組み立てることで立体的な「ゴーグルっぽいモノ」になる仕組みです。
VRゴーグルとは言っても画面はスマホのディスプレイを使います。また、VR体験で必須になる頭の動きに応じて画面表示を動かすギミック=ヘッドトラッキングを実現するための「加速度センサー」もスマホ内蔵のものを使います。
つまりVRの技術的な仕組みは基本すべてスマートフォン側が行なって、セリアのVRゴーグル側はそれを上手く見せるためのサポートをするぐらいのポジションな訳ですね。
あくまでもスマホが主役で、実はこのタイプのVRゴーグルは脇役といったポジションなのでした。
かなり簡易的なVR体験ツールですので、本格的なHMDを使うような深い没入感・リアリティを感じるのは厳しいと思いますが、非常に気楽に「それっぽい」映像を楽しむことはできるはずです。
組み立て手順
最初は少し戸惑うかもしれませんが組み立て手順自体は非常に少なくしかも結構しっかりと組み上がります。
全体の「ガワ」になる部分を起こして中にある左右の眼の「ついたて」になる小さめのパーツを対応する穴に差し込みます。
続いてレンズの付いた部分を引き起こし、「ガワ」の内側に押し込むようにして定位置まで持っていきます。
あとはスマホを挟んで「ふた」のように使うゴーグル奥部分になるところを、ゴーグル上まで回しこんで固定すれば完了。
スマホはふた部分の固定を解除して巻き込むようにしてホールドさせるか、横のすき間から差し込みます。
実際にVRコンテンツ試してみた
パッケージに「ハコスコ」アプリのQRコードが書いてありますので、こちらを使ってアプリを公式アプリストアからインストール。いくつかサンプル動画を見てみました。
「二眼」表示モードにすれば右目用、左目用にきちんと「視差」まで含めて録画されたデータが表示されますので、スマホのポジションさえキッチリ決まれば「立体視」も出来るようになっています。
またゴーグルを顔に当てた状態で頭を振るときちんとその向きに合うよう画像も動いてくれます。
スマートフォンの性能次第ですが、Xperia 1 IIIで試すと思いの外スムーズに頭の動きに追従してくれました。ここはちょっとビックリ。
360度動画だとどうしても解像度が足りないようでドットが見えてしまいますが、意外なほど臨場感はあります。また、自分(=撮影者)が移動するような動画だと、「VR酔い」しそうになりますね。
リアルの肉体は移動していないので三半規管など身体が備える加速度センサーは動きを感知していないのに、視覚情報だけ自分の身体が動いているような情報が飛び込んでくるわけで、その矛盾から脳が混乱してしまうのだと思うのですけれども。
こんな簡易な仕組みでもVR酔いを起こせるぐらいの感覚上のリアリティを出せるのはちょっと驚きでした。
スマホ画面を拡大して実際の「視距離」を調整するためのレンズは著者にはもう一息頑張って欲しいところで、見かけの視距離が近すぎる感じがあります。頑張って近いところにピントを合わせる意識がないとハッキリ見えません。
レンズ自体の品質もそこそこで周辺は結構歪んだり滲んだりはするんですが、100円ショップの商品なので仕方ない、と割り切れるのはいいところですね。
実際、思っていたよりはるかに実用性が高くて驚きました。
この商品、今は販売が行なわれていないようなのですが、改良版がまた店頭に並ぶことを期待したいですね。結構楽しめますよ。