iMac/MacBookでYouTubeの動画編集するために必要な機種や編集ソフト

YouTubeの動画を撮影してアップするためには、パソコンや動画編集ソフトが必要です。

このページでは、iMac/MacBookでYouTubeの動画編集に必要なスペックや編集ソフトについて執筆しています。

どのパソコンやどの動画編集ソフトを購入したらいいのかわからない人は参考にしてみて下さい。

動画編集に欲しいiMac/MacBookのスペック

動画編集を行ないたいMacでハードウェアとして必要な要件をまずはザックリまとめてみましょう。

CPUパワー

この部分はWindowsパソコンでもプロ向けのワークステーションでも同じことなのですが、動画を編集してどの機種でも見られるような一般的な形式にするには、ものすごく膨大な計算量が必要です。

動画のフォーマット自体がとても巧みなロジックをフル活用してデータ量に対して画質を出来るだけ引き上げる工夫をしています。

その反動として動画をその形式に落とし込むための計算がかなり複雑になっています。最新の高性能パソコンを持ってしても変換処理は非常に重たいタスクになってしまっています。

この辺りの事情はMacでも同じです。

動画編集から目的の動画の形式への変換・エンコード処理までを実行するには、出来るだけ高いCPU性能を持った機種を使うのが理想です。

今の動画編集ソフトは複数のCPUコアを全部使えるように作られていますので、出来るだけコア数が多く動作クロックも高いCPUを搭載した機種を使いたいところです。

メインメモリ

動画編集ではある程度メモリも必要としますが、ほとんどの場合膨大なメインメモリがなくても処理が出来ます。

ソフトによっては作業用のメモリを多く使うことで処理性能を上げられることがあります。通常メインメモリは8GBでも十分ですが、そういったソフトをフル活用したい場合には16GBやそれ以上のメインメモリ搭載も考慮する価値があります。

ストレージ

ハードディスクやSSDなどのストレージ、容量は素材となる動画などのデータをすべて保存しきれるサイズが必要です。

その代わり動画データを収めるドライブの転送速度は一般的にはさほど重要ではありません。プロ用のカメラで撮影した非常に画質の良い動画でも1秒あたりのデータ量はそれほど大きなものではないからです。

ただしMacの操作感を高めるためにはシステムやアプリを入れるドライブはSSDなどの高速なデバイスの方が良いでしょう。追加で十分な容量のHDDを搭載するのが快適さと必要なストレージの容量を出来るだけ低いコストで両立させるコツです。

GPU

動画編集ソフトの中にはGPUの演算能力を活用して処理の一部を高速化できるものも存在します。

が、それ以外の使い途としては動画編集では高速なGPUはあまり必要ありません。CPUに統合されているGPUでも十分なケースの方が多いでしょう。

iMacならこの機種

前の節で書いたような条件から、iMacで動画編集に最低限必要な機種・スペックをまとめてみます。

動画編集のフィニッシュまでの時間をあまり気にしないのであれば、実はどのiMacでも十分に動画編集を楽しむことができます。ただ、CPUのコア数が増える分だけ動画完成までの時間を短縮できます。

完全にコア数分だけリニアに処理時間が短縮されることはありませんが、それでもデュアルコアCPU搭載機とクアッドコアCPU搭載機とを比べると、最低でも1.5倍は処理速度が高速化します。

価格面との相談になりますので難しいところもありますが、21.5型画面の機種であればクアッドコアのCore i3搭載機以上を選択することがオススメです。

予算が許すならば27型画面の上位機種でCPUに8コアのCore i9を選ぶ価値も十分にあります。

MacBookProならこの機種

動画編集でMacBook Proを使うときにも、一番比重を置くべきなのはやはりCPU性能です。

ただMacBook Proでは13型のモデルでも6コアのCore i7が搭載されていますので、どのモデルも動画編集処理をかなり高速に実行できるようになっています。

こちらも予算との相談になると思いますが、可能であれば16型のほうで8コアCore i9をチョイスするとより動画編集に適した環境を手に入れられます。

実は今どきのパソコンはCPUのグレードだけで単純に実性能が決まるわけではありません。

インテルのCPUだと「ターボブースト」という機能があって、この関係でパソコンの「冷却能力」が非常に重要なファクターになっています。

消費電力と発熱面の余裕があれば、ターボブースト機能によってCPUは定格クロックを超えてより高速に動作することが出来るようになっているからです。

より大きな冷却機構を組み込めるため、本体が大きな16型モデルの方が基本的には実性能が高くなりやすく出来ています。

ちなみに同じ8コアのCore i9でも、MacBook Proに搭載される高性能ノートパソコン向けCPUのほうがiMacで使われるデスクトップ向けCPUよりも実際の動作クロックは低くなります。クロックの差の分だけMacBook Proのほうが性能は落ちます。

Macで動画編集するときに使いたい動画編集ソフト

Mac向けの動画編集ソフトでオススメのものを3本ピックアップします。

Premire Pro

Macでも動画編集ソフトのオススメ第一位はやはりこのソフトになると思います。

パソコンで動画を作る、と言うことを最初に具現化したソフトの一つ、Adobe社のPremire Proです。

それまではビデオテープから必要な部分を「ダビング」することを繰り返して目的の動画を作っていたため、構成が固まったあと最低でも完成する動画の時間分は処理時間が必要でした。

動画編集ソフトは変換作業等が必要ない部分は単にデータのコピーだけで処理が済むようになるため、編集作業に要する時間を大幅に短縮出来ました。出来上がる動画の長さと編集処理時間が比例しないので、動画の「ノンリニア編集」という概念を生み出したのもこのソフト達です。

そういった歴史もありますので、現在も動画編集のスタンダードがこのソフトである、と言ってもいい状況が続いています。

機能面でもトップクラスのものを維持していて、本格的な動画編集を行ないたいときにはこのソフトを選んでおけば大丈夫、と考えて良い1本です。

ただし作り上げる動画のデザイン的なものはユーザーが全部行なわないといけないタイプのソフトです。適当に素材となる動画をソフトに渡してやればなんとなーくスタイリッシュな動画が出来上がる、というソフトではありません。

また、今ではサブスクリプションで使うソフトになっていて基本買い切りは出来ません。

常に最新機能を使うことが出来ますが、使い続ける場合には買い切り型のソフトよりコストが高くつく可能性が高いです。

Premire Elements

Adobe社のより一般的なユーザーが使うのに適した動画編集ソフトがPremire Elementsです。Premire Proの高度な編集機能の一部を封印。誰でも簡単に使えることを重視してまとめられたソフトです。

簡単にカッコイイ動画を作ることができるような動画のテンプレートを持っていて、ソフトにお任せに近い形で見栄えの良い動画を作りやすい動画編集ソフトに仕上がっています。

最近のAdobeはソフトウェアライセンスのサブスクリプション化を進めていますが、ElementsシリーズはAdobe社の製品では貴重な存在になりつつある買い切り型のソフトです。

価格もかなりお手頃に抑えられていますので(1万5千円+α)、とりあえず動画編集を試してみたいと言うときにもちょうどいい製品です。

FinalCut Pro X

Apple謹製の動画編集ソフトがFinalCut Proです。MacOSに付属しているiMovieの上位有償版として製品化されたソフトウェアです。

著名YouTuberも動画作成に使用しているなど、機能的にも性能的にも十分な能力を備えている製品です。

当初のFinalCut ProからFinalCut Pro Xに移行する際にソフトウェアの内部構造を一新。インタフェースや機能なども見直しを行なっていて、それ以前の製品とは別物に生まれ変わっています。

このソフトの最大のストロングポイントはMacOSを知り尽くしたApple自らが手がける製品であることです。十分な機能をコンパクトにまとめていてメモリ消費量も小さくて済むため、控えめなスペックのMacでも十分に動作します。

価格も3万円+αと本格的な動画編集ソフトとしては手を出しやすいポジションにまとめられているのも大きな魅力です。

記事まとめ!Macで動画編集をするのなら

前の節で紹介した動画編集ソフトを機能面で比較するとこんな感じになります。

Premire Pro > FinalCut Pro X > Premire Elements

使いやすさで見るとこうなるでしょうか。

Premire Elements ≒ FinalCut Pro X > Premire Pro

動画作りをどこまで突き詰めて行ないたいか、お試しだけで終わらずずっと動画編集とつき合っていけるか、そのあたりも考えた上でソフトを選んだ方がいいでしょう。

「高機能だけれど高価な買い切りタイプのソフトを買ってみたはいいが、すぐに飽きて使わなくなってしまった」、というパターンが一番もったいないケースですから。

あと作業の際にWindowsパソコンと連携した処理を行なうかも考慮に入れておくと良いでしょう。

編集作業は使い慣れたMacで行い、最後の時間がかかるエンコード処理は安く高性能なマシンを手に入れやすいWindowsパソコンを使う、といったワークフローを考えるのでしたらAdobe製品を使うのが向いています。