YouTube撮影で必要なのはカメラですが、カメラを使うためには三脚が必要です。
なので、今回は、YouTube撮影で必須になってくる三脚について解説していきます。
どの商品がおすすめなのかも紹介しているので参考にしてみて下さい。
動画とカメラと三脚と
動画撮影には写真撮影とちょっと違った難しさがあります。
写真はシャッターを切る一瞬の勝負ですが、動画は数十秒から長ければ何分、何十分もカメラを回し続けることになります。この違いが動画ならではの難しさを生み出します。
その一つは画面の揺れ。手ぶれ、とも言えますね。
見やすい動画を作るためにはカメラを回し続けている間ずっと、カメラが揺れないように安定させる工夫が必要です。TikTokのようなショート動画とは違って、YouTubeでは長めの動画を作品として公開することが多いと思いますからより工夫が大切です。
激しく手ぶれさせてしまうと何が写っているのかよく分らない動画が出来上がってしまいますし、ふわふわと大きくゆっくり揺れるブレが続くと画面酔いする人も出てきてしまいます。
最近のカメラは手ぶれ補正機能がすごく強力になりましたがそれでも不十分な場合があります。
そういったときに使いこなしたいのが三脚です。
「雲台」と動画
一言でまとめるなら三脚はカメラを載せて固定するための台です。脚が3本なのは地面に多少凸凹があっても3点支持が確実に出来て安定した状態を保ちやすいからです。
ただ、カメラを単に固定してしまうだけではカメラの向きを変えることが出来なくなってしまいますので、土台となる脚の部分とカメラの間に向きを変えるためのギミックの「雲台」という装置がはさまります。
この雲台には大きく分けると3つのタイプがあります。
自由雲台
静止画用によく使われるタイプで、ロックもできる「ボールジョイント」のような仕組みでカメラを支えています。ロックを外すと上下左右自由にカメラを動かせるのが特徴です。
カメラの向きの調整がすごく楽です。
2Way、3Way雲台
2Wayは2軸、3Wayは3軸の可動部があって、それぞれ独立してロック・動作が行える作りになっています。カメラをキッチリ水平方向だけとか垂直方向だけに向きを変えることが出来る作りです。
自由雲台よりもキッチリとカメラの向きを調節しやすい雲台です。
ビデオ雲台
基本的な仕組みは2Wayタイプの雲台なのですが「ビデオ」と名前がつくように、動画撮影に適した機能を持っている雲台です。
カメラを上下左右に振るときにガクガクと動いてしまわないようにダンパーが仕込まれています。
また、カメラを水平に振る軸を地面と垂直にするためのギミックも組み込まれていることが多いです。軸が傾いていると、カメラを振ったときにレンズの向きが上下してしまいますから。
三脚の種類
雲台と脚の部分を含めた三脚の種類をザックリとまとめてみましょう。
小型三脚
「卓上三脚」などとも呼ばれたりするタイプです。
すごく小さくて軽く、小さめのバッグにもスポッと収まります。
室内での自撮り動画や出先での記念撮影的な使い方にとても便利です。
小さくて三脚だけではカメラの高さを稼げませんので、人間の目線に近い高さから動画を撮ろうと思ったら何かの台の上に載せてやる必要があります。
このタイプのオススメ機種として2機種上げておきましょう。
ゴリラポッドシリーズ
脚の部分がグニャグニャ曲がる画期的な発想の三脚です。柱などに脚を「絡みつけて」カメラを設置できます。
マンフロットPIXIシリーズ
イタリアのメジャー三脚メーカー「マンフロット」の卓上三脚シリーズです。
こちらがより一般的なカタチ・機能の小型三脚になると思います。すごくコンパクトですがしっかりした作りの製品。
写真用本格的製品
本格的な写真用の三脚も動画撮影に流用できます。上のクラスになるとすごくがっしりとした作りになっていますので、しっかりとカメラの揺れを抑えることが出来ます。
脚の部分がアルミ製のものとカーボン製のものがあって、高価ですがカーボン製の方がうんと軽くて持ち運びはとても楽になります。
脚を伸ばすと十分な高さが稼げますので、ヒトの目の高さから自然な見た目の動画を撮りやすくなります。
このジャンルのオススメ製品はこちら。
SLIK スプリントPRO II
国内の三脚メーカーでは最王手になると思います。SLIK製の中堅クラスの写真用三脚です。
3Wayの雲台がついていて、脚は4段に伸びるタイプ。縮めると比較的コンパクトで持ち運びがしやすく、伸ばせば最大1.6mの高さが確保できます。
Velbon ジオ・カルマーニュN535㈽
3Way雲台のついたカーボン三脚ではエントリークラスになるぐらいの製品です。ですがやはりカーボン製の脚だと価格は高くなります。実売4万円以上のプライスタグがつきますね。
その分アルミ製に比べ圧倒的に軽いのがメリットです。このクラスだと多分半分以下の重量に抑えられているでしょう。
ビデオ三脚
ビデオ三脚と言われるジャンルの製品は、上で書いたダンパー付きのビデオ雲台と雲台の水平出しをするためのギミックを組み合わせた三脚のことを言います。
色々な機能がついている分、大きくて重く、高価になりがちなのが弱点と言えるかもしれません。
オススメ製品の一つはこちら。
マンフロット MVK500190XV
メジャーメーカー製の本格的なビデオ雲台としてはこれでもエントリークラス製品になります。こちらもいいお値段で、実売価格は4万円を超えると思います。重さも3kgあって、屋外に持ち出して使うにはちょっと気合いが必要ですね。
ですが、カメラを動かしながらの動画を撮るなら、数ランク上の作品が狙えます。
自撮りには小型・超小型三脚
次に三脚のタイプごとに適した使い方を見てみましょう。
まずは小型三脚ですが、室内の自撮り動画にはこれがぴったりだと思います。
大きな三脚をしっかりと立てるには、長い足を開く場所が必要でそれなりの設置スペースが必要になります。が、小型三脚ならその心配をあまりしなくて大丈夫。カメラの置き場所の自由度が高まります。
その代わりサイズが小さくて軽いことが弱点にもなります。
大きくて重いカメラを載せるには無理がありますし、望遠レンズを使う時に揺れをシビアに抑えるのも得意としていません。
小型カメラ+広角レンズで無理をしない撮影向きです。室内などでの「〜してみた」動画には一番使いやすい三脚です。
写真用三脚も固定なら
本格的な写真用三脚は作りがとてもしっかりしていますのでカメラをガッチリ固定可能です。カメラの高さも十分確保できます
屋外にカメラを持ち出して安定した動画を撮るのに適したオプションの一つですね。
価格の安い(≒記念撮影用ではない)本格的な製品ならば大型のカメラもしっかり固定できますし、揺れにシビアな超望遠レンズを使う時の画面の揺れを押える目的にもしっかり対応できます。
その代わり雲台は写真用ですので、動画を撮りながらカメラを振るとスムーズにカメラの向きを変えるのは難しくて、スムーズなパーンにはならないことが多いでしょう。
この三脚を動画撮影で使うなら、撮影中にカメラの向きを動かさない撮り方に合っています。BGV的、風景写真的に景色をじっくり撮るような動画向きですね。
パーンしながら動画撮るならビデオ三脚で
カメラをパーン、左右に振りながら動画を撮影するときには、やはり滑らかに雲台を操作しやすいビデオ三脚が適しています。
例えば走っている列車をカメラで追いかけながらの動画を作りたい、といったときにはこのタイプの三脚があると撮影がグッと楽になります。さらに動画のクオリティも上げやすいです。
また、雲台を水平に保つギミック(レベリング機能)がついている三脚ならば、カメラをパーンしても画面が上下にずれることがなくなります。
また、同じ仕組みで画面が左右に傾くことも防止できます。
人間の目は画面の水平・垂直のズレにはものすごく敏感で、不必要に画面が傾いているとどこか不安感が出てしまったりします。
そういう細部までしっかりとしたクオリティを確保した動画を作りたいときには、結局はビデオ三脚を使うのが近道、と言うことになりますね。